最近、電気自動車増えたよね?
そうだね。日産リーフを始め、いろんな車が登場してるね。
電気自動車ができたのって最近だよね?
それがちがうんだなぁ~
近年の技術進歩に伴って、電気自動車(以下、EV)が街の至るところで見かけるようになりました。
自動車の普及は・・・
という順番だと思われがちですが、実は違います。実はEVの歴史はガソリン車よりも古く、シェア率が高かった時代があったのです。
そこで今回は、EVの誕生から今までの歴史と、これからの未来について追っていきます。
②これからの自動車産業
電気自動車の歴史。実はガソリン車より古かった?!
車の歴史はかなり古く、今から約250年前から始まります。
世界初の車は1769年にフランスで発明された蒸気で動くものですが、EVは1830年代、ガソリン車は1885~86年に初登場します。
そう。EVの登場は、ガソリン車の登場より半世紀以上早いのです。
電気自動車の歩み
EVの歩みについて探ってみましょう。
1873年 ⇒ イギリスで実用的なEVの製造が始まる
1899年 ⇒ EVで時速100Km/hの壁を突破する
1900年頃 ⇒ ガソリン車の技術が向上し始める
1937年 ⇒ 日本でもEV生産開始
1947年 ⇒ 日本でEV生産が本格化する
1950年代 ⇒ EVが衰退する
1830年代 ⇒ EVの誕生
世界で初めて認知されるEVを創ったのは、スコットランドのアンダーソンだといわれています。
期間は1832~39年の間です。
この時期はEV制作が世界中で活発で、アンダーソン以外にもオランダのストラチン教授やハンガリーのイェドリク・アーニョシュ氏など、さまざまな方々がEV開発に乗り出しています。
まさにEV開発の黎明期といえるでしょう。
1873年 ⇒ イギリスで実用的なEVの製造が始まる
1830年代に開発されたEVはデモンストレーション用や実験目的が主であり、実用的ではありませんでした。加えて、動力源となる電池も再充電できない1次電池を使用していたので、エンジニアの開発はここからスタートという感じでした。
月日は流れ、充電可能な鉛蓄電池の発明が1859年にフランス人プランテ氏によって行われ、ここで実用レベルの電池が初出現します。
そして遂に1873年に、イギリス人のロバート・ダビットソンが、実用的な4輪トラックのEVを世界で初めて製造しました。
1899年 ⇒ EVで時速100Km/hの壁を突破する
1880年頃を過ぎると、『EV vs ガソリン車』の競争が激しくなっていきます。1885~86年にダイムラー氏やベンツ氏がそれぞれガソリン車の開発に成功し、実用化させたからです。
1899年に、フランスで作られたEV『ジャメ・コンタクト号』が、時速105.9kmの記録を残し、ガソリン車より先に100km/hの壁を超えることに成功します。
ガソリン車が100km/hを超えるのは1900年代に入ってからです。
1900年頃 ⇒ ガソリン車の技術が向上し始める
EV優勢でしたが、1900年に入ると状況は一変します。1904年にフランスの『ダラク』という車が168km/hという記録を打ち立てたのです。
さらにはフォードが1908年に『T型フォード』を登場させたことにより、ガソリン車の技術力は飛躍的に向上し、EVの存在は薄れていきました。
1937年 ⇒ 日本でも量産EVの生産開始
その後、ガソリン車の影響でEVは影を潜めてしまいますが、『政治的』『経済的』『環境的』な問題が発生したときはEVにも光が差し込んでいました。
それはガソリン車の燃料調達が難しくなるからです。(輸入に頼る日本は傾向が強い)
例えば1930年代に入ると、日本は中国と戦争を始めたことにより、ガソリン車に必要な燃料の調達が難しくなりました。
これを受けて、日本ではEV開発が進みます。
1937年頃には、中島製作所と湯浅電池(現ユアサコーポレーション)が、商工会から助成を受けてEVを造り、国内各地および満州・台湾などで使用されるようになったのです。
1947年 ⇒ 日本でEV生産が本格化する
量産EVの開発はその後も進みます。1938年には日本電気自動車製作所が、1939年には名古屋自動車がそれぞれEVを新開発しました。
1947年には、当時日本で大ヒットしたEV「たま号」を造った、プリンス自動車の前進であるたま電気自動車が設立され、EV開発を進めます。
たま号の販売数は順調に伸びていき、1949年には3300台という記録を打ち立てました。
1950年代 ⇒ EVが衰退する
その後、EVの普及が進むかと思われましたが、現実は甘くありませんでした。
世界中で大きな戦争が終わりを見せ始め、燃料の供給が安定しだしたからです。
技術的にEVはガソリン車に劣っていたこともあり、1955年を最後にEVは一度衰退します。
EVの衰退と再注目
日本を含めて世界的に1950年を過ぎると、一度EVは衰退していきます。
それにはいくつかの要因がありました。
・ガソリン車の性能改良とガソリンスタンドの普及
・技術発展の影響
まずは、朝鮮戦争の影響です。EVの電池に使う鉛が戦争に大量使用されたことから生産が追い付かなくなり、鉛価格が通常価格の10倍以上という高騰を見せました。
政府からの後押しもなく、電池の生産が困難になります。
さらにはガソリン車の性能がどんどん改良され、一般人でも扱いやすくなったことも要因の一つです。政府の援護を受けて、ガソリンスタンドの整備も急ピッチで進みました。
一方、EVは技術改良がなかなか進まず、航続距離からいってもガソリン車の技術の方が優れていました。
そうなると、よりスペックの高いガソリン車に人は流れていきます。
EVが再び脚光を浴びる
世界中からEVは一時姿を消しますが、完全に忘れ去られることはありませんでした。
それは『政治的』『環境的』な側面があるからです。
・1970年代 ⇒ オイルショックで石油価格高騰する
これら有事の際の解決策として、電気自動車に再び注目が集まることがありました。
しかしいずれの時も検討のみで、
・オイルショックが終わり石油価格が安定する
など、事態が収束にむかうと、EVはまたスポットライトから外されてしまうのです。
本格普及に至らなかった最大の理由は、
と言われています。そのような状況が変わり始めたのは、1990年代に入ってからでした。
地球温暖化問題が無視できない状態へと変わったことが原因です。
・ 地球温暖化
・化石燃料の枯渇
この3つの壁が世界的に立ちはだかりました。
そこから世界的に、EVの開発を再び本格的に取り組むようになります。
・1997年には第1号として、トヨタプリウスが登場。
・2003年には今は有名になったテスラ社が設立され、EV開発に乗り出す。
このようにして、EV用電池の改良や技術向上が進み、今の世界があるわけです。
これからの自動車業界事情
今後は世界的にEVの普及が本格化するでしょう。
欧米諸国の力の入れ具合は凄まじく、ガソリン車やディーゼル社車の規制がすでに進んでいるからです。
以下は、ガソリン車とディーゼル車の販売に関してのデータです。
・スウェーデン ⇒ 2030年 新車発売禁止
・イギリス ⇒ 2035年 新車発売禁止
・中 国 ⇒ 2040年 新車発売禁止
・アメリカ ⇒ 2018年 一部規制開始
・コスタリカ ⇒ 2021年 新車販売禁止?
コスタリカでは、2021年から早々に動きが始まります。
コスタリカの新大統領が演説でガソリン車やディーゼル車の排除の動きを宣言しました。
さらには、現段階で環境にやさしいとされているPHEV(プラグインハイブリッド車)やハイブリッド車の生産中止が、各国で決まってきています。
各国では、EVの法整備や燃料となる電気が充電できるステーション、電池の開発などが急ピッチで進んでいます。
自動車業界が次の段階に入る
EVの生産にはガソリンエンジンがいりません。
となると、自動車業界に新たに参入してくる企業も増えてきます。
・ソニー
・サムスン
・アップル
など、今まで専門外だった業界のメーカーがどんどん参入を決意してきています。つい先日は、ソニーが車を造ったということで話題に上がりました。
数十年たったら、Googleやソニーの車が街中を走っているという状態になっているかもしれません。
まとめ
今回の記事の内容をまとめます。
・ EVは時代の所々で脚光を集めていた
・ 今後の世の中はEV100%になる可能性が高い
かつて世界ではガソリン車より先にEVが誕生し、注目を浴びました。
しかし技術の発達とともに、ガソリン車が発達し、EVは衰退します。
1990年代に入ると、環境問題とともに再び、EVは世界的な注目を浴びるようになりました。
世の中からガソリン車やハイブリッド車などが消えるのは時間の問題でしょう。
これによって消えていくメーカー・企業と新たに登場するメーカー・企業があるのは確かです。
『時代が変われば求められるモノも変わる』
今後の自動車業界にも注目です。
ではでは今回はこれであでゆ($・・)/~~~