なぜ、アルプス・ヒマラヤ造山帯では地震が少ないの??

なぜ、アルプス・ヒマラヤ造山帯では地震が少ないの??



テックス君

日本って地震多いよね?



にゃんこ先生

うん。そうだね。



テックス君

でもなんで同じ新期造山帯のはずの、アルプス・ヒマラヤ造山帯付近は地震が少ないの?



にゃんこ先生

それは、それぞれの造山帯の成り立ちの違いが関係しているんだ。



日本は世界有数の地震大国。そのため、すごく地震が多い・・・

でも同じ新期造山帯に属していながらあまり地震の話を聴かないのが、アルプス・ヒマラヤ造山帯の方です。

同じ新規造山帯のはずなのに、年間を通しての地震の回数・規模にも雲泥の差があります。

今日はその理由を深堀していきます!



得られるもの

① アルプス・ヒマラヤ造山帯に地震が少ない理由

② 新期造山帯の成り立ちについて



なぜ、アルプス・ヒマラヤ造山帯では地震が少ないの??





以前の記事で、環太平洋造山帯に含まれる日本での地震が多い理由についてお話しました。





しかし、同じ新規造山帯に属していながら地震の報告があまり上がってこないのがアルプス・ヒマラヤ造山帯です。
地球上で発生する地震の大半は環太平洋造山帯で発生しています。

地震がないわけではなく、環太平洋造山帯に比べると少ないだけです。
アルプス・ヒマラヤ造山帯付近でここ20年くらいの大きな地震


1999年9月7日 ギリシャで地震

2001年11月14日 チベット北部で地震

2005年10月8日 パキスタンで地震

2009年4月6日 イタリア中部、ラクイラ地震

2013年9月24日 パキスタン南部

2015年5月12日 中国西部・ネパール

2016年8月24日 イタリア中部地震


などがあります。
規模が大きい地震を取り上げましたが、年間で地震が起こる回数からみても、アルプス・ヒマラヤ造山帯付近で起きる地震は、環太平洋造山帯に比べて少ないです。
データを確認したい方はこちらのリンクから。

なぜ環太平洋造山帯と違い、ここまで地震が少ないのか。

それには二つの造山帯の成り立ちの違いに、理由があります。



二つの造山帯の成り立ちの違い





アルプス・ヒマラヤ造山帯と環太平洋造山帯の成り立ちの違いにこそ、地震の多さの違いが生まれると考えられます。

日本原子力研究開発機構様』がとてもわかりやすい図を使って説明されていたので、お借りしながら説明します。


引用:https://www.jaea.go.jp/04/tono/kenkyusitu/web/earth/e010301.html


アルプス・ヒマラヤ造山帯の成り立ち

アルプス・ヒマラヤ造山帯の造りは図でいうと、下側です。
大陸プレートと大陸プレートがぶつかりあって、一方のプレートがもう一方のプレートの下に潜り込んでいる状態です。

何かの拍子にプレートの反発が起こると、地震が起きます。

しかしアルプス造山帯の方では場所によって、造山活動がすでに終わっている所があるのです。
それに加えて、海洋プレートに比べて大陸プレートは柔らかいため、ある程度の圧力がかかってもぐにゃっと曲がる感じになるので地震が起きにくいのです。

※アルプス・ヒマラヤ造山帯はそれぞれを別々に分けて呼ぶこともあります。


環太平洋造山帯の成り立ち

一方で、環太平洋造山帯は下の図を見るとわかるように、海洋プレートと大陸プレートのぶつかり合いで起きている場所です。

一般的に海洋プレートは大陸プレートよりも重く、下に沈みこんでいきます。
この時に大陸プレートも引張られて一緒に潜り込んでいきます。
そして、ある時反発して地震が起こります。

こちらの特徴は曲がった時に、前者のぐにゃっと曲がる感じに対してボキっとなります。

なので、環太平洋造山帯はアルプス・ヒマラヤ造山帯に比べて、地震が起きる確率が高いのです。


しかし、そんなヨーロッパの中でも地震大国と言われる国があるのです・・・



ヨーロッパでも地震は起きる





その地域はどこか??


イタリアです。


なぜ、イタリアなのか??
それは、イタリアの一部には大陸プレートに海洋プレートが沈み込んでいる場所があり、そこが影響しています。
他には、ギリシャもヨーロッパの中では地震が多い国です。

しかし、他の欧州諸国に比べると多いというだけで、環太平洋造山帯と比べると全然少ないです。

世界的にみてもヨーロッパの地震はそもそも少ないので、耐震対策はあまりされておらず地震が来ると家屋の倒壊など被害が増大します
現に、M6程度の地震で数百名の犠牲がでた地震も中にはあります・・・



まとめ





今回はアルプス・ヒマラヤ造山帯での地震が環太平洋造山帯に比べて地震の数が少ない理由をお伝えしました。

地震が少ない理由は、造山帯の成り立ちの違いが影響しています。

しかし、地震が少ないからといって地震を軽視していいわけではありません。
それらは自分たちにも当てはまります。


次起こる地震がとんでもなく大きい地震だったら??


自分の地域は他と比べて地盤が固いから大丈夫・・・
そういった意識を、少し防災に向けてみるといいかもしれませんね!

ではでは今回はこの辺りでアデユー(-ω-)/

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