不況の時って国はどんなことをするの?。
景気回復のためにいろいろな政策を打ち出すよ。
確かに、こないだもニュースで言ってたな。
歴史で見ると、有名な政策はニューディール政策かな!
コロナウイルスから始まった今回の不況の対策として、国から全国民あてに一律で給付金を渡す案が模索されていたりします。
これは景気後退の影響で収入が少なくなった人への救済案として浮上していますが、歴史的にみるとほかにどのような政策があるのでしょうか?
時は遡り、1929年ウォール街の株価暴落を受け、世界恐慌が起きた時に、アメリカが行ったのが『ニューディール政策』です。
しかし、名前は知っていても内容は知らない人も多いはず。そこで今回は、その時アメリカはどんな経済対策を行ったのか?焦点を当てて追求します。
② 経済対策について
ニューディール政策とはなんなのか?
社会の歴史の授業を受けていたら、一度はニューディール政策という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
ニューディール政策とは、世界恐慌の時にアメリカの当時のルーズベルト大統領が施行した経済対策のことです。
この経済対策はいくつか施行され、少なからず経済に影響を与えました。
② 全国産業復興法( NIRA )の制定
③ 公共事業
④ 労働者の保護
大きく分けてこの4つに分類できます。
① 農業調整法( AAA )の制定
世界恐慌の要因となった一つに、アメリカの大量生産が背景に挙げられます。
工作機械が大型化し少人数で大量生産ができるようになってきた当時のアメリカは、労働者が超過するだけでなく、必要生産数を大幅に超える供給を行っていました。
その結果、世界恐慌とつながっていき、農作物の値段は暴落しました。
この状況に国は手を打ちます。
・余った作物は政府が買い上げる
この2つを行うことで、需要と供給のバランスを整え、農業の価格安定と労働者を守りました。
② 全国産業復興法( NIRA )の制定
農業だけでなく、ほかの産業にも不況の影響は届きます。
そこで国は、市場価格と労働賃金の下降を止めるために、各産業ごとに協定を結ばせました。
しかしこの政策は、行為自体が自由経済に反すると、企業側から強く申し立てを受けました。
その結果、労働者を守るために行った政策でしたが1935年に最高裁判所で憲法に反するという決断が下され、政策は失敗に終わったのでした。
③ 公共事業
道路や下水道、ダムなどの公共事業でも人々の雇用を促し、経済の推進をはかります。有名なものというと
・高速道路の建設
政府企業であるテネシー川流域開発公社( TVA )が地域総合開発を推進し、失業者を救済していきました。
また、アメリカ国内のすみずみまで道路を拡張するための人の雇い入れを奨励しました。
道路の開通に合わせ、地方が脚光を浴びたりと成果もあったようです。
④ 労働者の保護
1935年にはワグナー法( 全国労働関係法 )によって労働者の団結権と団体交渉権を確定し、労働者の権利が保護されました。
これにより労働組合も発展し、産業別労働者組織委員会( CIO )が成立しています。
結果、労働者の賃金は引き上げられ、労働条件も改善される結果につながったとされています。
ニューディール政策の影響は?
上で述べたような政策をもとにアメリカは経済の立て直しを図っていきます。
中には本当に効果があったものも、法律に反するということで政策自体が消えてなくなってしまったものもあります。
中にはニューディール政策自体意味がなかったという人もいるくらいです。
しかしどんな政策も立ててみて、実行してみないとわかりません。やった結果、
・効果があった。
・効果がなかった。
とわかるわけなので、実行して結果影響を与えたのであれば僕はいいのかな?と考えます。
多くの政策を打ったニューディール政策ですが、その中でも高い評価を受けたあるプロジェクトがあります。それは、地方に焦点を当てて写真で実情を追うというものです。
これが世界的にみても芸術分野で称賛され、一定の影響は与えたとされています。
政策の中にはこのようにちゃんと評価を得ているものもあります。
第二次世界大戦がアメリカ復興の起点
いくつか実例を挙げてニューディール政策について取り上げましたが、実際のところニューディール政策だけでアメリカが完全に復興したとは言いにくいです。
しかしあることをきっかけに、アメリカは世界トップの経済大国にのし上がります。
それが、第二次世界大戦です。
第二次世界大戦:
1939年のドイツ軍ポーランド侵攻から始まった、全世界を巻き込む戦争。
死者数は5000万人を超え、歴史上でも最悪の戦争となった。
アメリカは第二次世界大戦において、もともとは中立の立ち位置を貫いていました。
しかしそんな中でも、イギリスへやソ連への武器や軍需を納品しており、これによってアメリカ経済は上向きになっていきます。(日本も朝鮮戦争で特需を受けている。)
なぜなら戦争では物資の供給がとても重要になるからです。
そのためアメリカは、1941年に武器貸与法を制定し、特需を生んだのでした。
さらにそこに、真珠湾攻撃を受け参加目的が明確にできたため、本格参戦し戦勝国となり、経済トップの大国に成長したのでありました。
このようにルーズベルト大統領は良くも悪くも、うまく時代の流れに乗りアメリカの復興を支えたのでした。
日本の今後
だからと言って、戦争を起こしていいとはなりません。
なら、今回のコロナウイルスからきている不況対策で日本はどんな動きをしているのでしょうか?
答えは金融政策と経済補助です。
・全国民一律の給付金
・労働者への特別処置
・労働環境の提供
ニューディール政策のもとになったケインズ政策でも、『金融と労働は大切である』とうたっており、国民の生活の救済と労働改善に向けて動いて日本も動いています。
しかし、我々に流れてくる情報はほんの一部分なので、どうしても動きが遅いように見えるかもしれません。
現在の法律や国の経済状況が障壁となって影響している可能性もあるので、今後変える必要が出てくる部分もあるかもしれませんね。
まとめ
今回は世界恐慌の時に打ち出したニューディール政策について見てみました。
現在コロナウイルスの拡大により、その被害はリーマンショック以上とも言われています。
世界恐慌の時と状況は違うといえど、この状況が後、半年続くと世界経済は終わるという見方もあるようです。
今だからこそ、自分の身は自分で守らないといけない時期に来ているのも事実です。
国の政策が必須なのはわかっていますが、ただぼーとしていても何も始まりません。
行動するなら今。あなたは何から始めますか?